ヒゲクジラの中でも比較的小柄なクジラと言われる「コククジラ」の生態には、他のヒゲクジラとは異なる特徴があるようです。
この記事では、コククジラの生態についてまとめています。
コククジラとは、どんなクジラ?
コククジラは体長12~14mで、体重は約30t。
ヒゲクジラで最大のクジラは体長が20~34mのシロナガスクジラですが、ヒゲクジラには15m前後の種が多いのでコククジラは小柄なクジラと言われます。
体色は、灰色、暗灰色、青灰色などの一色ですが、ある程度の年数を経たコククジラの頭部やヒレにはフジツボやクジラジラミなどの外部寄生生物が付着しているので、白いマダラ模様があるように見えます。
また、海の中では岩のように見えることもあるそうです。
コククジラの生態について
コククジラだけに見られる食事方法、掘り起こし型
多くのクジラは海の表層で「呑み込み型」「濾し取り型」などの方法でオキアミやプランクトンなどをヒゲで濾し取って食べています。
しかし、コククジラは海の底層にて「掘り起こし型」で食事をします。
コククジラは自身の体や鼻づらをこすりつけるようにして舞い上げた海底の泥や砂を海水ごと口に含み、口の中のヒゲでゴカイやカニなどの甲殻類を濾し取りながら、泥や砂、海水をヒゲの隙間から口の外に出すという方法で餌を食べています。
この方法で食事をするヒゲクジラは、コククジラだけです。
また、こすりつける際は右側をこすりつけることから、ほとんどのコククジラは右利きだと言われています。
沿岸部を往復しながら生息する
巨大な体を持つ多くのヒゲクジラは、広い外洋を旅鳥のように回遊して獲餌や繁殖をしますが、コククジラは上記のような食事方法を取るためか、外洋や深い海域に出ることはあまりなく、沿岸部を南北に往復しながら生息しています。
現在コククジラがよく目撃されるのは、北アメリカの西海岸ですが、乱獲によって激減する前は北半球全域の沿岸に生息していたそうです。
まとめ
ヒゲクジラの中では小柄なクジラと言われるコククジラの生態には、他のクジラには見られない食事方法が見られます。
また、沿岸部を往復して生息するコククジラですが、その往復距離は2万キロにも及ぶ個体もいると言われています。