クジラは哺乳類なので水中にずっと潜っていられるわけではありません。
必ず水面に上がって息継ぎをします。
どのくらいの時間潜水していられるのでしょうか?
ここではクジラの潜水能力についてご紹介します。
クジラの潜水深度と潜水時間
クジラは種類によって潜水できる距離と時間が違ってきます。
また、ハクジラ類とヒゲクジラ類では餌にするもの住んでいる場所が違うため、ハクジラ類の方が潜水深度が深い傾向にあるようです。
それぞれの最大潜水深度と最大潜水時間をご紹介します。
ちなみに人間では22分22秒水中で息を止めることができる人がギネスに認定されているようです。
ハクジラ類
ハクジラ類は魚やイカを餌にしている場合が多く、餌を捕るために深く潜る種類が多いようです。
カマイルカで214m、6分。バンドウイルカで535m、12分。シャチで260m、15分。イッカクで1000m、20分。
トックリクジラで1000m、120分。マッコウクジラで3000m、138分。マッコウクジラだけずば抜けて潜水能力が高い感じがしますね。
ヒゲクジラ類
ヒゲクジラ類の主な餌はプランクトンなので、海の上の方にいることが多いので、餌を捕るために深く潜る必要がないので、ハクジラ類よりも潜水深度は浅めです。
ナガスクジラで500m、30分。ホッキョククジラで300m、80分。セミクジラで184m、50分。ザトウクジラで148m、21分。シロナガスクジラで100m、50分。アカボウクジラで2992m、137分もの記録があるようです。
このアカボウクジラの記録は2014年に発表されたものですが、アカボウクジラがなぜこんなに深く潜るのかなど、いろいろと解明されていないことが多いようです。
クジラの潜水時間が長い理由は?
クジラ類は潜水によって血液中の酸素が低下すると、血液を重要な器官にだけ送り、酸素の消費を節約できるそうです。
さらに酸素を運搬する赤血球のサイズが大きく、さらに筋肉中に酸素を貯めておくミオグロビンという物質が多いそうです。
また、人間は一度の呼吸で肺の中の酸素の10~15%しか取り込み・交換できないのに対し、クジラ類は80~90%もの酸素を取り込むことができるそうです。
深く潜って水圧でつぶされないの?
クジラの中でもマッコウクジラは3000mも深く潜水する個体もいます。
3000mも潜ると水圧は300気圧を超え、1平方センチに300キロの力がかかるということになります。
肺に空気が入っている状態だと押しつぶされてしまいますが、マッコウクジラは筋肉中のミオグロビンの量が他のクジラ類よりも多く、肺に空気を残しておかなくてもいいので、水圧に耐えられるようです。
まとめ
クジラの潜水時間は種類によって様々ですが、長いものだと1時間以上連続して潜水することができるようです。
クジラの潜水時間が長いのは、筋肉中に酸素を蓄えておくミオグロビンが、他の哺乳類よりも多いことが理由のようです。
1時間以上息継ぎをしないでいられるなんてすごいですよね。