クジラ(鯨)は大きく、歯のあるクジラ「ハクジラ」と、ヒゲのあるクジラ「ヒゲクジラ」の2つに分類されます。
ハクジラには、シャチやイルカなど、ヒゲクジラには、シロナガスクジラ、ミンククジラなどがいますが、ヒゲクジラの「ヒゲ」とは何でしょう?
また、このヒゲが物凄く長い種のクジラがいます。
この記事では、セミクジラの「ひげ」の特徴についてまとめています。
美ら海プラザなぅ…
口の中に入れるザトウクジラの実物大レプリカと、その手前のセミクジラのヒゲ板も素敵。。♪#クジラ #鯨 #whales #海洋博公園 #美ら海水族館 #美ら海プラザ pic.twitter.com/YDtr8WkVSc
— ✨🐳namu.🏄🎶 (@sakamata76) 2016年2月15日
目次
ヒゲクジラの「ひげ」とは?
ハクジラであるイルカ、シャチ、スナメリなどは、鋭い歯を持っていて、魚やイカなどを歯を使って食べています。
対してヒゲクジラであるシロナガスクジラ、ミンククジラ、セミククジラなどには歯がありません。
歯があれば並んでいるであろう場所には、ヒゲ板と呼ばれるものが、びっしりと並んでぶら下がっています。
ヒゲ板は上顎だけにあり、下顎にはありません。
ヒゲクジラは、このヒゲ板で海水からオキアミやプランクトンをフィルターのように濾し取って食べています。
セミクジラの「ひげ」の特徴とは?
セミクジラのヒゲ板は、とても長~いことが特徴で、最長部では3m近くもあります。
セミクジラのひげは、日本の伝統芸能で使われるからくり人形などに使われています。
もしくは、使われていました。
セミクジラは乱獲によって数が激減し、現在は絶滅危惧種とされ国際的に捕鯨が禁止されています。
独特の弾性を持つセミクジラのひげは、からくり人形を動かすバネに最適なのだそうです。
ヒゲクジラの食事方法
ヒゲクジラは上顎に並んで付属しているヒゲ板で海水を濾過して餌を濾し取って食べていますが、クジラによって食事方法が違います。
ヒゲ板の形状
ヒゲ板は上顎に付属する部分を底辺として細長い三角形をしています。
ヒゲ板は上顎に数百枚も櫛状に並んでいて、口を開けた時は、フィルターのように見えます。
ヒゲ板は皮膚が爪のように変化したもので、内縁の部分はささくれて繊毛状のブラシのようになっています。
その繊毛部分にオキアミやプランクトンがひっかかる仕組みになっています。
ヒゲ板の短いクジラの食事方法
シロナガスクジラ、ミンククジラなどは、ヒゲ板が短く、体の下部、喉から腹部にかけて畝(うね)と呼ばれる伸び縮みするひだがあります。
ヒゲ板の短いクジラは、一旦あんぐりと腹いっぱいに海水を呑み込み、口を閉じ気味にします。(その時に畝がびよーんと風船のように膨らみます)
そして、口から海水だけを出して小さな餌をヒゲ板にひっかけて食べます。
口を閉じた時にヒゲ板には高い水圧がかかるので、ヒゲ板は短く、付け根が太くなっています。
ヒゲ板が長いクジラの食事方法
セミクジラ、ホッキョククジラなどは、長いヒゲ板を持っており、畝がありません。
長いヒゲ板を持つクジラは、あ~んと口を開けたまま泳ぎまわってプランクトンなどを濾し取っています。
たもなどの網で水の中の餌を獲っている感じです。
セミクジラの食事中、開口部の上下の長さは3m以上です。
まとめ
セミクジラのヒゲ板は、とても長いことが特徴です。
また、独特の弾性が日本では伝統工芸品に使用されています。
現在は捕獲が禁止されているセミクジラですので、過去にストックされたものを使われているそうです。
セミクジラのヒゲ板は一枚でも非常に長く大きいもので、人形のバネとして使用しても20年は持つのだそうです。