シロナガスクジラとともに絶滅を危惧されるセミクジラは、体長が13mから18mもある大型のクジラです。
しかし、セミクジラとは?
シロナガスクジラのようには知名度の無いクジラですよね。
セミクジラとは、昆虫のセミ?
なぜそのような名前がつけられたのでしょうか。
セミクジラの名前の由来とは?
セミクジラは和名で、漢字では「背美鯨」「勢美鯨」「背乾鯨」と書かれます。
この和名の由来には、昆虫のセミは関係ありません。
セミクジラの背中には背ヒレがなく、「浮上した時にその背が美しい小山のように見えた=背美・せみ」「浮上した時に背で水が乾きあがる=背乾・せび」これらが語源となっています。
セミクジラは、英語ではどう書くの?
セミクジラは英名では「Right Whale」と表記されます。
この名前はセミクジラが泳ぐのが遅く、絶命しても体が海に沈まないことから、容易に捕鯨できたことが由来しているそうです。
セミクジラは、どんなクジラ?
セミクジラは体長13~18m、体重30~80tの大型のクジラで、現在は絶滅が危惧されている種です。
南半球に生息する「ミナミセミクジラ」、北半球に生息する「キタセミクジラ」、南半球の温帯域のみに生息する「コセミクジラ」がおり、コセミクジラはセミクジラで一番小さなクジラです。
セミクジラは体長の3分の1以上が頭部のずんぐりとした体形で、口の形は正面から見ると三角形に近い弓のような虹のような形をしています。
また上顎、下顎にはコブ状の隆起列(りゅうきれつ)が並んであり、頭頂部の噴気孔と呼ばれる鼻の穴や目の周りにもコブがあります。
このコブの部分には、外部寄生虫のクジラジラミなどが寄生しているため白っぽく見えます。
体色はへそや喉に形の決まっていない白い模様があるのみで、ほぼ真っ黒。
ナガスクジラなどに見られる体の下部の畝(うね、縞々状にみえる)はありません。
口の中に最長で3m近くもある長いヒゲ板を持っています。
まとめ
昔の人が海上で見たセミクジラの大きな背は、太陽の光を照らして美しかったのでしょうか。
乱獲によって数が激減し、保護の対象となっている絶滅危惧種のセミクジラですが、その数は今でも回復には至っていないようです。