その土地で食べられているものには、その土地の歴史が深く関係しています。
野菜であれば現在のように品種改良された種が出回ることもなかったでしょうし、魚の養殖なども難しかったでしょう。
ですから、地元の食材をふんだんに使った郷土料理が誕生し、地域に根差したものとして伝えられてきているのです。
クジラのおでん🐳 pic.twitter.com/qih5OD9eI6
— タッキー (@tacckyway) 2018年1月30日
関西のおでんに欠かせないものは?
くじらの皮の「コロ」や「さえずり」を食材として使われることが多いです。
コロとは、くじらの皮下脂肪層を鯨油で揚げて、油を抜きカラカラの状態に仕上げたものを言います。
関西では一般的な食材として流通しており、和歌山県太地町の名産物として知られています。
昭和の食卓を彩った食材ですが、今やくじらの漁獲高も減り高級なイメージが強く感じられます。
数日かけて水で戻すか、あるいはお湯の中に入れて油や臭みを抜いてから使います。
ゼラチン質が多く含まれているため、もちもちとした食感と旨味を堪能できます。
さえずりとは、くじらの舌を意味しており、柔らかい食感と甘みを楽しめます。
また、汁物や鍋物に入れるとくじらの出汁がよくとれますので、おでんの具としては適しています。
おでんにはどう使うの?
コロはカラカラの状態であるため、そのままでは使用することはできません。
そのため手間暇かけてしっかりと戻していくことが大切です。
余分な油と臭みを取り除くことができる方法を紹介します。
水を入れたボールに入れ1日浸しておきます。
黒い皮が気になるようでしたら、沸騰したお湯で茹でて冷水にとり、包丁で切り落としましょう。
再び、お湯に一握りの糠を入れて柔らかくなったコロを入れ、30分間煮ます。
その後、冷水にとり糠をきれいに洗い流して、下準備の完了です。
関東の味付けとは異なり、薄口醤油が基本で、しかも少し甘めに味付けされます。
一般的におでんは出汁を沸騰させませんが、ふつふつとなるほど煮ます。
まとめ
私は西日本文化圏で育ってきたので、おでんと言えば関西風の味付けに慣れています。
しかし、高級感のあるくじらをおでんに入れて食した経験はありません。
肉の脂身とは違った、また独特の味わいを楽しむことができるのかもしれませんね。