クジラの寿命は体の大きさに比例すると言われていますが、ホッキョククジはクジラで最も大きいシロナガスクジラを差し置いて、地球上の哺乳類で最も長寿だと言われています。
シロナガスクジラは有名なクジラなので、なんとなくシルエットが頭に浮かぶ方は多いと思いますが、ホッキョククジラはどうでしょうか。
ホッキョククジラの口はシルエットに関係していて、シロナガスクジラとは違う形をしています。
この記事では、ホッキョククジラの口の特徴についてまとめています。
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クジラさんは作曲家!ホッキョククジラは繁殖期にユニークなメロディーを歌っている: https://t.co/JWr1LiJAUl @sputnik_jpさんから pic.twitter.com/hYo6clQy6g
— 風 Ⅱ (@kimagasenohaha) 2018年4月5日
ホッキョククジラの口はアーチ状?
ホッキョククジラの口はアーチ状の形をしています。
アーチ状とは、弓なりとか空の虹のような形のことでホッキョククジラと同じ科のセミクジラの口もアーチ状の形です。
また、他のヒゲクジラには体の下面、腹部に縦の線(畝・うね)があるものが多いですが、ホッキョククジラとセミクジラには畝はなく、背中のヒレもありません。
ハクジラとヒゲクジラ、イルカもクジラの仲間
クジラは、大きく「ハクジラ」と「ヒゲクジラ」の2つに分けられます。
ハクジラは、歯のあるクジラでイルカやシャチなどがハクジラです。
ヒゲクジラは歯の無いクジラで歯の代わりにヒゲのあり、ホッキョククジラ、シロナガスクジラなどがヒゲクジラです。
ヒゲクジラのヒゲの役割
ヒゲクジラの口には歯が無いので、イルカなどのように獲物にかぶりついて食事をすることはありません。
ヒゲクジラは口の中にあるヒゲを使って、オキアミやプランクトンなどの小さな生き物を大量に集めて食べています。
クジラの「ヒゲ」は、人の顔にあるような髭(ひげ)や体毛ではなく、皮膚が薄い板の爪のように変化したものです。
ヒゲ板の一枚は直角三角形の形をしていて、上あごから数百枚びっしりと並んでぶら下がっており、板の先はブラシのように粗い毛状になっています。
ヒゲクジラは、このヒゲ板で小さな餌をザルでこし取るように食べますが、取り方はクジラによって違います。
ホッキョククジラは口を開けたまま餌を獲る
ホッキョククジラは餌を食べる時、あ~んと口を開けたまま泳ぎ回って餌を集めて食べます。
ホッキョククジラの口先部分にはヒゲ板が無いので、海水が入りやすくなっています。
海の表層を口を開けたまま前進し、口から入った海水と餌はヒゲ板で餌のみこし取られて海水だけヒゲ板の隙間から流れ出ていきます。
シロナガスクジラ、ミンククジラなどは、「呑み込み型」というペリカンのような感じで餌を獲って食べます。
一旦餌ごと海水を腹いっぱいに呑み込んでから、口を閉じ気味にして舌とヒゲを使って海水だけを外に出します。
ヒゲ板はホッキョククジラのものより短くなっています。
体の下、腹部の畝はこの時に伸び縮みします。
ホッキョククジラは、この型の食べ方ではないので、畝がありません。
ホッキョククジラが餌を集めるために口をあんぐりと開けている時、開口部の上下は3mもあるそうです。
まとめ
ホッキョククジラのように、口の形が、弓なり、アーチ状の他のクジラ(同じセミクジラ科のセミクジラ、ミナミセミクジラ、コセミクジラなど)も餌の取り方は同じで「濾し取り型」と言われています。
この取り方で食べる餌は、極小のもので、呑み込み型で食べるクジラの餌は小~中の大きさです。