マッコウクジラは、なんと最大水深3000メートルまで潜ることが出来る動物です。
人間と同じ哺乳類なのに、どうしてそんなことが出来るのでしょうか。
もし人間がそこまで沈んでしまえば、水圧に耐えられなくなってしまいます。
それに、そこまで潜る前に、酸素ボンベを背負っていない限り呼吸が続かなくなってしまいます。
哺乳類である限り、水中で暮らしているとはいえ、肺呼吸無しで生きていくことはできません。
果たしてマッコウクジラはどうしてそこまで潜水することが出来るのでしょうか。
呼吸しなくても大丈夫な理由
呼吸しなくてもいい理由は、実は水圧に耐えられる理由にもつながっています。
本来、人間をはじめとした哺乳類は、呼吸を肺に依存しているため、水圧でつぶされてしまうと空気が押し出されてしまって浮上できなくなってしまいます。
また、水圧で窒素が血液中に溶けてしまって潜水病になることもあります。
しかしマッコウクジラは、必要な酸素を筋肉に直接ためておくことが出来るため、肺に空気を含む必要がなくなります。
そのため、深海まで潜っても肺がつぶれることがありません。
マッコウクジラは、筋肉中にミオグロビンという成分を普通の哺乳類に比べてかなり多く持っているので、そんなことが可能になるのです。
そのため、1~2時間ほどは呼吸しなくても、潜水し続けることが出来ます。
潜水できる理由
人間が限界以上に深く潜れない理由には、水圧につぶされてしまうというのもそうですが、肺に空気が入っているためにそれが浮袋となってしまっているから、ということも挙げられます。
マッコウクジラは、額に脳油器官という、自在に比重を変えることができる器官があり、それによって、浮力を調節することが出来るため、潜水することが出来るのです。
まとめ
マッコウクジラが深海にまで潜水することが出来るのには、体のつくりの中に特殊なものがあるから、ということがうかがえます。
人間にもこれが応用できれば、もしかすると潜水も夢ではないのかもしれません。