クジラのひげというのは、犬や猫、そして人間のひげとは由来が異なるもので、ヒゲクジラ類で独自に進化した、上あごについている歯のようなものです。
繊維が板状になったもので、時にはひげ板とも呼ばれることがあります。
そのひげは、実はさまざまな特徴を持ったもので、いろいろな用途で用いることが出来ました。
クジラのひげはどのような特徴を持っているのでしょうか。
そして、どのような用途で使われていたのでしょうか。
貴重な鯨ヒゲを触れたり、実物の竜涎香、耳垢栓、捕鯨時代の道具など貴重な展示物の数々、鯨の進化をわかりやすく解説したパネル、マッコウクジラの生態解説パネルなどすっごく勉強になりました😆😆 #クジラ pic.twitter.com/dHTjl7uPV1
— ホエールウォッチ🐋 (@whalewatch19) 2017年10月8日
クジラのひげの特徴
クジラのひげは、皮膚の角質組織と同じケラチンからできています。
そのため、比較的固い質感があります。
ただし、その固さも加工しやすいものなので、いろいろな製品に加工しやすかったのです。
その分、引っ張り強度があり、弾力性にもとんだ性質があります。
それらの性質から、優れた素材として重宝されてきました。
素材として呼ばれる時には、エンバ版と呼ばれることもありました。
最近では、弾力のある金属線を生み出す技術や、プラスチック加工などが発展したため、工芸などの用途で主に用いられるようになってます。
クジラのひげの用途
クジラのひげの用途として、まず身近なものを例に挙げてご紹介します。
まず、現在でもつかわれているのが、釣り竿の先端部分です。
その部分は、獲物の重みに合わせてしなる必要があるので、クジラのひげの弾力が必要とされていました。
ヴァイオリンの弓にも使われています。
スティックの巻き線に用いられていました。
現在では、イミテーションが使われていることもあります。
ほかにも、扇子の要として用いられていたり、兜の装飾として用いられていたり、文楽人形の操作策に使われていたり、という歴史もあります。
鯨尺という長さの単位が残っていることから、呉服の仕立て専用尺として使われたこともあるのではないかといわれています。
まとめ
クジラのひげは、その使いやすさから、過去には様々な用途で使われていました。
現在でもつかわれていることから、非常にその性能が高いということは確かなのでしょう。