クジラと言えば潮を吹くイメージが定着してしまっている感が強く、イラストなどにも描かれることが多いです。
しかしながら、実際にはクジラはどんな目的があってあんなことを行っているのでしょうか?
そこで今回はクジラの潮吹きについて調べてみることにしました。
クジラの呼吸法
クジラはヒトと同じく哺乳類に分類されますから、肺呼吸を行っています。
ヒトの1.5倍ほどの肺を持ち、その中の空気の8割~9割を一気に交換しています。
そのために、悠々と泳いでいるように見えても海面に上昇して肺呼吸を行っているのです。
クジラもイルカも同じように頭部の頂に小さな穴が見られます。
これはクジラなどの鼻であり、「鼻孔」とよばれる器官になります。
ですから、頭のてっぺんに鼻があり、そこを通じて呼吸をしているのです。
ちなみに、口呼吸をできる哺乳類はヒトを除いて他にはいないそうです。
肺呼吸ができるから地上でクジラが暮らせるかというと、内臓などの重さによって押しつぶされてしまいますので不可能です。
クジラが潮を吹いている場所は?その理由は?
クジラは元気よく潮を吹いているように形容されますが、実は潮を吹いているわけではありません。
ヒトと同じく肺呼吸をするために海面に現れ、たまっていた空気を一気に吐き出します。
すると、クジラの体から高い圧を加えられた空気は外へ排出されたとたんに急激に圧力が低下します。
圧力が下がると物質は冷却される現象が起こり、空気中の水分が冷やされて霧となります。
中学生の頃に実験をした、ピストンを使った雲を作る実験を思い出してもらえれば分かりやすいと思います。
初めから水分を吐き出しているわけではなく、圧力の差によってもたらされる現象だったのです。
ほんの一瞬のことですから遠くから見ていると、まるで潮を吹いているかのように見えてしまいます。
この現象のことを正式には「噴気(ふんき)」と呼ぶそうです。
まとめ
クジラの潮吹きの裏側にこんな衝撃的な事実が隠されているとは思いもしませんでした。
潮吹きではなく噴気と言い、吹き出しているところはクジラの鼻孔という器官です。
噴気はクジラの体内と放出された後の圧力差によって、空気が冷やされる現象を意味します。