水中で生活するクジラ、哺乳類なのに水を飲まなくても生きられるの?
クジラは水を飲まないのか
私たち人間は、からだの50%~70%が水分でできています。
水分の補給がなければ生きていくことができません。
植物をはじめすべての動物にも水分補給は生活上必要です。
人間は水の補給があれば1週間は生きられるといわれますが、水がないと3日くらいしかもたないようです。
クジラも海水が周りにたくさんありますが、これを飲むことはできません。
魚と違って塩分をろ過する装置を持っていないからです。
くじらの水分補給
海水の中で暮らすクジラたち海の哺乳類たちはどうやって水分を補給するのでしょうか。
いくら海で暮らしているといっても海水で水分補給はないでしょう。
人間には無理ですよね。
確かにえさと一緒に海水をたくさん飲みこんでいるように見えますが、ヒゲクジラの仲間はひげでエサをろ過して食べた後は「テレスコーピング現象」と呼ばれる進化の一つで頭の上に移動した鼻腔から排出しますので、海水を飲み込むことはないようです。
「水をのまない」という名前の動物がいます。
あまり水を飲んでいる姿を見ることがないのでその名がついたといわれています。
ユーカリの葉を主食とする“コアラ”です。
確かに水たまりに顔を突っ込んでいる姿を想像することができませんね。
コアラが水を飲まないのは、主食のユーカリの葉に含まれる水分を食事と一緒に取っているからと言われてます。
同じように、クジラも海水と一緒に飲み込んだエサを食べるときにエサが持っている水分で補給をしているようです。
食事の量は相当に違いがあるのでしょうが・・・
エサに含まれる水分と、そしてエサの脂肪、糖類、タンパク質などが体内の代謝によって燃焼した時にできる水で賄っているそうです。
まとめ
もう一つあまり水を飲まない代名詞のような動物がいます。
砂漠の動物「らくだ」です。
ラクダは背中にあるこぶに秘密があるといわれています。
こぶの中に“油分”を蓄えてこれを利用して水分補給をしているそうです。
クジラも体の中にこの“油分”を蓄えて水分補給の一つにしているようです。
海の生活では水分を失うことはあまりないのでエサからの補給と油分の代謝で十分に補えるようです。
また、一般に陸上の生物が体の水分を奪われる要因には、呼吸・発汗・排泄の三つがあります。
しかし海の中では、水蒸気が多く湿度が高いので、呼吸によって水分が失われることは少なく、クジラには汗腺がないため汗によって水分が失われることもないそうです。