クジラは、一度は陸に上がって生活していましたが、何かのきっかけでまた水中へと戻って行きました。
そんな進化の過程がとても気になりますよね。
ここではクジラの進化の過程についてご紹介します。
クジラの進化の過程
クジラ類の最初期の生物は「パキケトゥス」と呼ばれる足を持つ生物で、水辺の乾燥した陸地で生活していたようです。
その後、水陸両性のワニやカワウソのような外見の「アンブロケトゥス」という生物に進化したようです。
水中での生活が長くなり、さらに水中に適した「レミングトノケトゥス」と呼ばれる生物に進化しました。
このレミングトノケトゥスは、ほぼ完全に海浜環境に適応した進化段階に相当するそうです。
さらに進化を続け、水中に適した身体になり、現生のクジラ類に近いとされる「ドルドン」と呼ばれる生物になっていったようです。
後ろ足の骨はあるの?
進化の過程で後ろ足はどんどん退化していったクジラ類ですが、現在のクジラ類の骨盤と後ろ足の骨格は著しく縮小し、皮膚の中に埋もれてしまっているそうです。
ごくまれに、遺伝子配列の異常から、先祖返りした個体が出現し、その個体には小さな後ろ足のような構造が見られることがあるようです。
クジラが海へ戻った理由
クジラが海の中へ戻った一番の理由は、水中で生きるライバルが少なかったため、だそうです。
それまで水中にはプレシオサウルスといった首長竜が生息していましたが、恐竜たちが絶滅したため、海の中は哺乳類にとっては未開の地だったのです。
水中に戻って行った哺乳類は少なかったため、餌も取りやすく、外敵もあまりいなかったようで、生き残るのに有利だったようです。
また、水中は陸上に比べて温度の変化が少ないので、生活もしやすかったそうです。
クジラ以外の水中に戻った哺乳類
クジラの祖先が海に戻ったのと同じ時期に、同じように水中に戻った哺乳類がいます。
それは、ジュゴンやマナティの祖先たちです。
ジュゴンやマナティの祖先はゾウの仲間だそうです。
クジラの祖先とジュゴンの祖先、ライバルになり餌の取り合いになってしまいそうですが、クジラの祖先は肉食で、主食は小魚や貝の仲間、ジュゴンの祖先は草食で、主食は海藻や藻を食べていたようで、餌の取り合いなどになることはなかったようです。
まとめ
クジラは一度は陸上で生活するように進化しましたが、恐竜の絶滅を期に水中に目を付け、海の中に適応するように進化を続けて行ったようです。
現生のクジラに近いと言われているドルドンは5mほどだったようですが、今ではシロナガスクジラに至っては30mを超える個体もいるほど大きくなったので、水中に戻る選択は間違っていなかったんだな、と思ってしまいますね。