シロナガスクジラと種類は違いますが、白鯨に登場するモビーディックは人に攻撃するクジラとして描かれています。
また、クジラに飲み込まれた人間がクジラの体内で生活し、数ヶ月後生還するお話など、昔から人間がクジラに食べられるというシーンは数多く存在します。
それでは、実際にシロナガスクジラは人間を食べるのでしょうか。
シロナガスクジラは獲物として人間を食べるのか
シロナガスクジラが普段食べている餌のように、人間を食べることはありません。
シロナガスクジラは、ヒゲクジラ類に属しているため、オキアミなどの小さなプランクトンを食べて生活しています。
ハクジラ類のマッコウクジラのように、ヤリイカや小魚を追い捕食して食べる生き物ではなく、大きな口をあけて海水ごとプランクトンを飲み込む食べ方です。
このような食性から、シロナガスクジラが食べるために人間を攻撃することはなく、捕食したという記録も残されてはおりません。
それでは、シロナガスクジラが人間を食べることはなくても、シロナガスクジラに飲み込まれることは皆無でしょうか。
あくまでも可能性として挙げるならば、海難事故などで意識を失い、海洋を漂っているダイバーや船舶のクルー・乗客がオキアミと一緒に飲み込まれるケースが挙げられますが、起こる確率は何ともいえません。
仮にシロナガスクジラが人間を飲み込んだとしても、口の大きさに対して喉の大きさは小さく、異物として吐き出す確率が高いと言えるでしょう。
シロナガスクジラは、人間を食べるよりも人間を助ける行動をおこなう可能性を持っています。
なぜならば、シロナガスクジラではありませんが、同じクジラの仲間がダイバーに危険を知らせる行動をとった事例があるからです。
潜水中の海洋学者に一頭のザトウクジラが接近、海洋学者をヒレで押しのける行動をとります。
ザトウクジラを押し返し、距離をとっても同じように繰り返す行動に困惑する海洋学者でしたが、その近くには体長4.5メートル程のイタチザメが接近していたのです。
つまり、ザトウクジラはイタチザメから海洋学者を守る行動をとっていた訳です。
大きさや形は違うけど、危害を与えない仲間を守るという心情が湧いたのでしょうか。
このようなケースがシロナガスクジラにおいても、起こらないとは限りません。
まとめ
シロナガスクジラは人間を食べるのかをテーマに見てきました。
シロナガスクジラの食性から人間を食べることはないということ、反対に襲いに来た生き物から人間を守る可能性があることをお伝えしました。