ホッキョククジラは、その名にあるように北極海で生息するクジラです。
クジラはまるで旅鳥のように回遊して餌獲りや繁殖をしていますが、ホッキョククジラは回遊せずに極寒の北極海と近辺の海でのみ生活します。
ホッキョククジラが氷の浮かぶような寒い海に棲める秘密、それはホッキョククジラの脂肪にあるようです。
ホッキョククジラ♡♡一緒に泳ぎたい♡♡ pic.twitter.com/JhZOW4BdMH
— もう、やってないです。 (@s0323k3828) 2013年10月5日
ホッキョククジラの脂肪は分厚い
クジラの全身を包む皮下脂肪は、脂皮と呼ばれる厚いもので断熱材のような役割をしていますが、ホッキョククジラの皮下脂肪は厚さが50㎝もあります。
また、ホッキョククジラの体温は他のクジラよりも低いことが分かっています。(クジラは哺乳類なので、一定の体温を保つ恒温動物です)
厚い脂肪は体温の維持だけでなく、水分の補給や出産、子育ての際の栄養源にもなっています。
同じく冷たい海に暮らす哺乳類のラッコの場合、皮下脂肪はありませんが緻密な毛皮を持ち、アシカやアザラシは皮下脂肪と毛皮で自身の体を守っています。
ホッキョククジラは頭蓋骨も骨太
ホッキョククジラは頭蓋骨も骨太で頑丈です。
哺乳類であるクジラは呼吸のために海の上に頭頂部にある鼻の穴を出しますが、ホッキョククジラは北極海の分厚い氷を頭で叩き割って浮上します。
氷雪地帯に住むイヌイットの話では、60㎝の厚さの氷の下からも浮上するのだとか。
しかし、ホッキョククジラは攻撃的なクジラではなく、脅威を感じた時などは、氷の下に隠れるのだそうです。
なお、ホッキョククジラを捕食するのは人間とシャチぐらいで、乱獲により個体数は激減してしまったクジラと言われています。
頑丈な頭と分厚い脂肪に巨大な体を持つホッキョククジラは泳ぐのが遅く、命を落としても沈まない、クジラ油とクジラヒゲが大量に獲れることから絶滅寸前まで乱獲されました。
まとめ
他の多くのクジラ達と違って北極海とその近辺のみで生活するホッキョククジラの体は、冷たい海での生活に対応すべく分厚い脂肪と頑丈な頭蓋骨を持っています。
また、クジラは大きな体のものほど長生きすると言われており、体温も低い方が長寿の傾向があると言われています。
その両方が当てはまるホッキョククジラは、大きさ的には2番手3番手ですが(一番大きなクジラは、シロナガスクジラ)クジラの中で一番長く生きていることが確認されており、地球上で最も長生きする哺乳類とも言われています。