今となってはとても高い食材として認識されている鯨肉ですが、健康食として注目を集めています。
鯨は捨てるところがないと言われるほど、ありとあらゆる部位が食用とされてきました。
ですから、鯨の部位によってさまざまな呼称があり、それに適した食べ方が存在しています。
西大井の名店にて…本マグロとクジラ、トリガイ。手前の肉みたいのが、尾の身(*´ω`*) pic.twitter.com/YgIvBjUDsN
— やっさん (@koujiyasuda5252) 2018年2月26日
鯨の各部の名前と意味
鯨の舌は脂肪分が多く、舌の先と根元付近などの部位によって味わいが異なると言われています。
この部位には、「セセリ」や「さえずり」と呼称があります。
「鹿の子(カノコ)」は、顎から頬にかけての肉で、脂肪の中に筋肉が散らばった状態のものを指します。
生産量の30%~40%を占めるのが「赤肉」という、脂肪の少ないところで赤身の肉です。
これは背中やお腹などの低脂肪な部位で、現代においては刺身として流通しています。
尾ビレは「尾羽(オバ)」や「尾羽毛(オバケ)」と呼ばれ、脂肪とゼラチン質が豊富な部位です。
最高級の部位とされるのは、鯨の尾ビレの付け根の霜降り肉です。
これは「尾の身」と呼ばれています。
どんな食べ方をするの?
セセリは鯨油で揚げられて、脂を絞った後の乾燥した状態のものが関西では一般的に目にします。
これを戻して、おでんの具として使うことが有名です。
鹿の子は、鍋の具材として使われることが多く、他の部位よりも食感を強く楽しむことができます。
赤肉は竜田揚げにして食べたり、昔はカレーの具材として肉の代わりに用いられていたりしたこともありました。
尾羽は塩漬けにして、スーパーの鮮魚コーナーで見かける「さらしくじら」の原料となります。
シャキシャキ、コリコリとした食感が特徴で、酢味噌などをつけて食べます。
尾の身という高級な部位は、刺身にして食べたり、ステーキにして食べたりします。
まとめ
鯨肉は今では肉にとって代わられた感が強いですが、これほど多くの名称がついているとは思いもしませんでした。
先人たちが愛してやまなかった鯨肉、生きるものをいただくことの有難さを感じていたからこそ、余すところなく使ったのでしょう。
そんな昔の人々の思いを感じながら、たまには日本酒と一緒に鯨を食べてみませんか?