体が大きいほど、持っている脳も大きくなる。
子供の脳重量や大きさよりも成人の脳重量や大きさが勝っていることからも、このことは間違ってはいないと言えるでしょう。
それでは、海に生息する大きな生き物クジラ、その中でも大型に属するシロナガスクジラの脳はどうなっているのでしょう。
シロナガスクジラの巨体に見合った大きさや重さを持っているのでしょうか。
また、海中の行動に大切な視界を確保する目も体の大きさに比例した大きさで作られているのでしょうか。
思ったよりも小ぶりなシロナガスクジラの脳の大きさと重さ
シロナガスクジラの脳の大きさや重さは、体の大きさと比例しているとは言えません。
なぜならば、同じクジラの仲間のマッコウクジラは、シロナガスクジラよりも体は小さいのに、脳は大きく重量も重いためです。
シロナガスクジラの平均的な体長は約25メートル前後、大きなものでは30メートルを超える個体も存在します。
対してマッコウクジラは、約16~18メートルが一般的な大きさ、大きな個体でも約25メートルほどです。
シロナガスクジラの脳の重さは約6キログラム、マッコウクジラの脳の重さは約8キログラムですから、体の大きさイコール脳の大きさとは必ずしもならないこと、また、マッコウクジラがシロナガスクジラよりも頭が良い可能性を示唆しています。
このような両者にみられる脳の大きさや重さの違いは、ヒゲクジラ類とハクジラ類の違いによるものと推察されているのが現状です。
シロナガスクジラはヒゲクジラ類に属し、海水ごとオキアミなどを捕食する行動に対して、ハクジラ類のマッコウクジラは狩るという捕食行動を必要とするため、より脳が発達したと考えられています。
大きな体に小さな目・シロナガスクジラの目の大きさ
シロナガスクジラの目はとても小さく、体の大きさからみると、つぶらな瞳と形容できるほどです。
体の大きさに対して目が小さい、これはシロナガスクジラに限ったことではなく、クジラの仲間全体に言えることです。
シロナガスクジラの目の大きさは体長の600分の1の大きさが一般的で、体の成長と共に目も大きくなります。
「色盲」であり、色の識別はできないと言われています。
ちなみに、先に取り上げたマッコウクジラの目の大きさは、グレープフルーツほどの大きさです。
まとめ
シロナガスクジラの目の大きさや重さ、目の大きさについてみてきましたが、シロナガスクジラの脳は体の大きさと比例しておらず小さい。
また、シロナガスクジラよりも小さなクジラの脳よりも軽いことを紹介しました。
目の作りも体の大きな体の割には小さく、体長の600分の1ほどの大きさであることをお伝えしました。